荒木製蝋合資会社

こうわかまい
幸若舞

日本で唯一
守られ続ける

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 織田信長も舞ったと伝わる「幸若舞」は、室町時代に流行した曲舞の一つ。能や歌舞伎の原点とも言われており、700年の伝統を持つが、明治維新以降、各地の幸若舞が衰退し、現在は、日本で唯一、みやま市瀬高町大江地区のみで伝承されている。
「幸若舞は地元の伝統行事。みやま市瀬高町大字大江字大江地区で生まれ育った男性は、小学5・6年生のときに必ず経験しています。当時は参加することが当然で、特に深く考えていませんでしたね」と話すのは、現在、青年部に所属する松尾拓尚さん(29歳)。その時期を過ぎると変声期などもあり、多くの子どもたちが「幸若舞」を離れるが、松尾さんは、5年ほど前、再び幸若舞の世界へ。就職先の埼玉から地元に戻り、地元に貢献したいと考えていたところ、青年部に所属していた友人から誘われたことがきっかけだった。
 毎年10月下旬から11月初旬に、練習をスタートさせる「小屋入り」があり、小学生、青年の部、壮年の部のメンバーが集結。1月20日の奉納の日まで、ほぼ毎日練習が行なわれる。「現在も舞われているのは8曲。どの曲も似たように聴こえるかもしれませんが、曲ごとに艶の付け方やタイミング、呼吸などが違うんですよ。まだまだ難しいけれど、新しい曲を覚えていくことは面白いですね」と松尾さん。2013年には松尾さんより若い世代のチームも誕生。幸若舞はこの土地に根付き、しっかりと継承され続けている。

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DATA & MAP

幸若舞とは越前の桃井直信(幼名・幸若丸)によって始められたと伝わり、日本最古の舞楽として700年の伝統を持つ国指定重要無形民俗文化財。毎年1月20日に大江天満神社の舞堂に奉納されており、舞を見るために日本各地から観光客が訪れる。
1月20日11:30~
住所大江天満神社(みやま市瀬高町大江)
交通手段 九州自動車道「みやま柳川IC」から車で約5分